ミラビリスノコギリクワガタの産卵に挑戦してみたいけど、
そんな悩みを持ってこのページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか?
ミラビリスノコギリクワガタは美しいフォルムと鮮やかな色合いから人気なのですが、産卵セットの作り方や準備の方法は意外と情報が少なく、初めての方にはハードルが高く感じるかもしれません。
でも安心してくださいね。
この記事では、ミラビリスノコギリクワガタの産卵セットの作り方を、基本の準備から注意点まで、初心者の方でもすぐに実践できるように分かりやすく解説しています。
記事を読み終わる頃には
そのような前向きな気持ちになれるはずです!
さあ、あなたのミラビリスノコギリクワガタのブリードをここから始めましょう!
ミラビリスノコギリクワガタの産卵前に知っておきたい基本情報
産卵セットの作り方や必要な物ばかりに目が行きがちですが、その前にミラビリスノコギリクワガタという生き物そのものを理解することが重要です。
- 寿命はどれくらいなの?
- 産卵セットを準備したけどなかなか卵を産まない
- 幼虫が孵化したけど育ちが悪い
そのような場合にはこちらの基本情報を振り返ると、突破口を見出すことにもつながります。
彼らがどんな特徴を持つクワガタなのか?
そして限られた寿命の中でどのようにブリード計画を立てれば良いのか?
基本情報を理解する事で、より多くの幼虫を健全に育てるための【土台】となります。
ミラビリスノコギリクワガタの特徴と魅力
ミラビリスノコギリクワガタは、その名の通りノコギリクワガタ属の一種ですが、一般的なノコギリクワガタとは一線を画す独特の魅力を持っています。
最大の特徴は、その洗練された流線型のボディと、個体によって大きく異なる美しい体色です。赤褐色から黒に近い色合いまでグラデーションがあり、光の当たり方によって見せる表情が変わるため、コレクターの間でも高い人気を誇ります。
また、オスのアゴはノコギリ状というよりは、繊細で優雅な曲線を描くのが特徴で、その形状もまた多くのファンを魅了しています。
比較的大型になる種で、その存在感は飼育者の心を掴んで離しません。
飼育下でのブリードも比較的容易なことから、初心者からベテランまで幅広い層に楽しまれています。
流通量は多くありませんが、専門のショップやイベントなどで見かける機会はあります。
その気品あふれる姿は、見るものを惹きつけ、飼育する喜びを一層深めてくれるでしょう。
寿命はどれくらい?ブリード計画を立てよう!
ミラビリスノコギリクワガタの成虫の寿命は、飼育環境や個体差にもよりますが、羽化後3ヶ月から半年程度が一般的です。
比較的短命なクワガタと言えるでしょう。
このため、ブリードを成功させるためには、計画的なアプローチが不可欠となります。
まず、オスとメスが羽化した時期を確認し、羽化後2〜3ヶ月程度で成熟していることを目安にペアリングのタイミングを計ります。
産卵の最盛期が短いため、成熟を待つあまり産卵期を逃さないよう注意が必要です。
産卵セットを組んだら、メスが産卵を開始してから約1ヶ月から1ヶ月半程度を目安に割り出しを行います。
幼虫の成長速度も考慮し、次世代を繋ぐためのサイクルを意識したブリード計画を立てることが重要です。
また、幼虫から成虫までの期間も考慮に入れ、年間を通じたブリード計画を立てておくと良いでしょう。
短い寿命の中で確実に次世代を残すためにも、事前の情報収集と計画が成功の鍵となります。
適切な産卵セットを準備するベストタイミングは?
ミラビリスノコギリクワガタの産卵期は、原産地の気候にもよりますが、日本での飼育下では主に初夏から秋にかけてが一般的です。
具体的には、気温が安定して暖かくなる5月から9月頃が産卵のピークとなります。
この時期に合わせて、メスが産卵しやすい環境を準備することが、ブリード成功の鍵となります。
産卵セットを準備する最適なタイミングは、ペアを組ませる約1〜2週間前が目安です。
これにより、セット内の環境が安定し、メスが安心して産卵に集中できる状態を作ることができます。
早く準備しすぎても、マットや材が乾燥したり劣化したりする可能性があり、遅すぎるとメスが産卵を始めてしまい、十分な数を採れなくなる可能性があります。
また、メスが成熟しているかどうかも重要なポイントです。
羽化後、ある程度の期間が経ち、十分にエサを摂取して体が充実しているメスを選ぶようにしましょう。
適切なタイミングで産卵セットを準備し、メスの状態を見極めることが、多くの幼虫を確保するための第一歩となります。
ミラビリスノコギリクワガタの産卵セット【準備編】
こちらではミラビリスノコギリクワガタの産卵に入る前にやっておいた方がいい準備をお伝えします。
産卵してくれる時間は限られています。
事前にしっかりと準備して、万全の体制で産卵を迎えましょう!
必須アイテム産卵セットの材料を事前に準備
こちらでは産卵セットを組む前に、事前に準備しておくものをお伝えしておきます。
- 飼育ケース
- マット
- 産卵木
- 高たんぱくゼリー
- 温度計
- 幼虫に使用済みの廃マット
産卵セットを組むだけでも、最低でもこれくらいは準備しておいた方が良いものです。
準備するポイントを以下に記します。
飼育ケース
飼育ケースは保湿性の高いもので、コバエなどの害虫の出入りができないものがいいでしょう。
マットが乾燥してしまうと、メスのモチベーションが下がります。
容量は幅の短い方が15cm以上あると産卵木を2~3本入れることができます。
産卵木は約14cmで販売されています。
私はクリアスライダーのラージサイズの飼育ケースで産卵させています。
マット
マットの種類は特にこだわる必要はありませんが、微粒子の物を使用しましょう。
発酵は浅いものより、発酵したマットの方が産卵木との相性が良くなります。
念には念を!という方には、KBファームのフェロールマットはおすすめです。
値段は少し高いですが、微粒子で産卵促進用のマットとして販売されています。
産卵木
産卵木の樹種はナラ材がオススメですが、クヌギでも産卵させることは可能です。
産卵木の選び方は、表面の材質が柔らかいものを好みます。
産卵木の表面に産卵しますので、芯があっても構いません。
柔らかい感覚が最初は難しいかもしれませんので、分からない場合には軽い材を選ぶようにしましょう。
中身の詰まったズッシリとした材には産まないので注意!
選定した産卵木はバクテリア加工します。
ミラビリスノコギリクワガタにはバクテリア材が抜群に相性がいいです。
バクテリア加工を自分でやる際には、幼虫に使用済みの廃マットを取っておきましょう。
産卵木のバクテリア加工の方法や注意点は長くなりますので、別記事で説明しています。
青カビに悩まされている方やバクテリア加工が初めての方は参考にしてください。
高たんぱくゼリー
産卵時期だけは高たんぱくなゼリーを与えましょう。
産卵には体力を使います。
KBファームのプロゼリーは、よく食べてくれますし、液だれもなく使用しやすいですよ!
私は産卵に入る1ヶ月前からプロゼリーを与えています。
温度計
ミラビリスノコギリクワガタの産卵に温度管理はかなり重要です。
私は飼育温度が低くて、産卵木はかじられているけど産まないということがありました。
温度を2℃程度上げたことで、メスにスイッチが入って産み始め、最終的には幼虫50匹を得る事に。
温度計がなく、飼育環境の温度もよく分からないような状態では産卵は難しいかと思います。
温度計は産卵セット以外でもよく利用しますので、2つくらい持っておくといいですよ。
最も重要な失敗しない準備のポイントは?
あれもこれも必要ですと言われても・・・
その中でも最も産卵セットの失敗につながる重要なポイントは産卵木です。
産卵木のバクテリア化には、1~2ヶ月必要となります。
産卵が始まってからバクテリア材の作成していては間に合いません。
事前にどれくらいの数の幼虫がほしいのか?
すべての産卵木にたくさん産んでくれるわけではありません。
目安として、幼虫を20匹とりたいならバクテリア材3本は用意しておくべきかと思います。
バクテリア材を1本ずつ作成するなら、4~5ヶ間は事前に必要になってしまうんです。
産卵セットの種類と作り方の基礎知識
産卵セットの種類は大きく分けて3種類あります。
- マットだけのタイプ
- マットの上に産卵材を置くタイプ
- マットの中に産卵材を埋めるタイプ
ミラビリスノコギリクワガタの産卵セットでは③マットの中に産卵材を埋めるタイプの産卵セットを準備してあげます。
ミラビリスノコギリクワガタの産卵セット【作り方篇】
さあ、いよいよミラビリスノコギリクワガタの産卵セットを実際に作ってみましょう!
初めての方でも迷うことがないように、一つずつ解説していきますね。
正しい産卵セットの組み方
【ステップ1:ケースの底固め】
まず、飼育ケースの底に、用意した発酵マットを約5cmの厚さで敷き詰めます。
このマットは、強く握ると水が染み出るくらいの湿り気(目安は、握って形が崩れない程度)が理想です。
これを手のひらやコップの底などで、しっかりと固く押し固めてください。
産卵木が安定して、マットの硬い層と柔らかい層を作ることが目的です。
【ステップ2:産卵木(バクテリア材)の選定】
次に、事前に仕込んでおいたバクテリア材を選んでいきます。
ここでは出来るだけ違う太さ・硬さのバクテリア材を一緒に選んでおきます。
2週間~1ヶ月後に反応があるバクテリア材を確認して、反応がある材質や太さの物を多めにする事で爆産させることができます。
【ステップ3:産卵木の配置】
固く底固めしたマットの上にバクテリア材を置きます。
産卵木は、ケースのサイズに合わせて1本から数本配置します。
【ステップ4:マットの充填】
産卵木の周りに、残りの発酵マットをふんわりと被せていきます。
産卵木が半分から2/3程度埋まるようにすると良いでしょう。
この時、マットは固く押し固めず、産卵木とマットの間に隙間ができないように軽く詰める程度で構いません。
【ステップ5:ゼリーと隠れ家の設置】
最後に、転倒防止用の木片や樹皮などを置き、クワガタ用ゼリーをエサ皿に入れて設置します。
これでミラビリスノコギリクワガタの産卵セットは完成です。メスが安心して産卵できる環境が整いました。
ミラビリスノコギリクワガタの産卵セット【管理の注意点】
産卵セットを組んでみたものの、なかなかメスが産卵行動に至らない。
そんなことも割と起こります。
その原因を取り除いてあげることで、メスは産卵モードへと突入していく方法をお伝えします。
それには産卵セットの環境を整えてあげる必要があるんです。
産卵を促す環境の作り方と管理のコツ
産卵セットを組んだもののメスの動きが悪い原因は
- 休眠期間が不足している
- 産卵セットの温度が適温ではない
- 産卵木がお気に召さない
原因としてはこちらの3つに問題があることが考えられます。
休眠期間が不足している
その場合は、産卵セットから成虫を取り出し、高たんぱくゼリーを5つ程度食べさせてから再投入すると変化があるかもしれません。
ミラビリスノコギリクワガタは休眠します。
ゼリーも食べず、交尾もせず、排せつもなく、動きも鈍い。
そのような場合には産卵はしません。
ミラビリスノコギリクワガタの休眠期間は5ヶ月~8ヶ月程度です。
さらに、休眠期間が完了すると後食を開始したとみなしますが、そこから1ヶ月~2ヶ月はしっかりと高たんぱくゼリーを与えます。
この状態ができれば、休眠期間が不足しているという問題はクリアできます。
産卵セットの温度が適温ではない
産卵セットの温度にも注意が必要です。
ミラビリスノコギリクワガタの産卵時の適温は25℃です。
少し高いと感じられるかもしれませんが、23℃では産みませんでしたし、動きも鈍かったです。
幼虫が見えない?割出のタイミングと注意点は?
割り出すのは、産卵セットを組んでからどれくらいの時期がいいのか?
割り出す状態は、卵よりも幼虫で割り出すほうが見落としが少なくて済みます。
割出のタイミングは、産卵セットを組んでから2ヶ月以降に割り出しましょう。
ミラビリスノコギリクワガタは、産み始めてからダラダラと少しずつ長く産卵する傾向です。
セットを組んでから2か月後であっても、2令幼虫と卵が一緒に取れることはよくあります。
ミラビリスノコギリクワガタの卵はものすごく小さいので、見落とし防止の為、割り出した産卵セットは6か月くらいは元のケースに保管します。
卵での割出を希望する方は1ヶ月毎に割出すると良いくらいかと思います。
ミラビリスノコギリクワガタの産卵セットの組み方は?まとめ
今回はミラビリスノコギリクワガタの産卵セットの作り方や注意点・準備の方法をお伝えしました。
ミラビリスノコギリクワガタは産卵に少しクセがありますので、特徴を抑えるまでは少し苦戦するかもしれません。
しかし、産卵セットの作り方や産卵スイッチの入れ方や環境の変え方などもお伝えしましたので、読者のあなたなら累代することは可能なはずです!
注意点や準備を含めると、飼育難易度は中級程度。
アフリカのイケメン代表ミラビリスノコギリクワガタをぜひ攻略して、飼育を楽しんで頂ければと思います。